全日本2歳優駿の 穴馬探し!

「全日本2歳優駿」の穴馬探しをお届けします。

全日本2歳優駿は、12月15日(水)に川崎競馬場で行われる2歳ダート王決定戦です。地方南関東の川崎競馬場で行われますが、ダートグレード重賞ですのでJRA所属馬も出走できます。

 

距離は1600m。
川崎競馬場の4コーナーポケットからスタートし、狭いトラックをまるまる1周します。

フルゲートは14頭。
JRA所属馬は5頭が出走可能です。

 

なお、当レース直前に各競馬場で行われた5つの2歳重賞=船橋の平和賞、大井のハイセイコー記念、川崎の鎌倉記念、園田の兵庫ジュニアグランプリ、門別のJBC2歳優駿の各1着馬には「全日本2歳優駿」への優先出走権が与えられています。

 

それでは、「全日本2歳優駿」のポイントと展望をお伝えしましょう!

 

【ポイント1】地方所属馬にもかなりチャンス有り!

→JRA所属馬と地方所属馬が戦うダートグレード重賞はJRA所属馬の「独壇場」となるケースが大半。

 

1着から3着までをJRA所属馬が独占し、地方所属馬は「馬場を貸しただけ」。
そんなレースが多いのが現状です。

 

しかし。
この全日本2歳優駿は違います。地方所属馬が毎年頑張るのです。

近10年のJRA・地方別の成績は次のとおり。

JRA 複勝率40% 7.8.5.30
地方 複勝率12% 3.2.5.72

 

このように「複勝率」で診ると大差が付いていますが地方所属馬の中には「勝負になる可能性ゼロ」の馬が大量に含まれていますから、単純に複勝率だけで比較することはできません。

 

それよりも、近10年で10頭「も」地方所属馬が馬券に絡んでいることのほうが、注目に値する事象でしょう。

 

要は、1年に1頭のペースで地方所属馬が馬券に絡んでいる、ということ。しかも3勝しています。ちなみに、近10年で馬券に絡んだ10頭の地方所属馬の顔ぶれは以下の通りです。

12年2着 ジェネラルグラント 【船橋】
13年1着 ハッピースプリント 【北海道】
13年3着 サーモピレー    【船橋】
15年3着 アンサンブルライフ 【浦和】
16年3着 ローズジュレップ  【北海道】
17年3着 ハセノパイロ    【船橋】
19年1着 ヴァケーション   【川崎】
19年3着 ティーズダンク   【浦和】
20年1着 アランバローズ   【船橋】
20年2着 ランリョウオー   【浦和】

昨年・一昨年は2年続けて、地元の南関東所属馬が2頭の好走馬を輩出しました。

 

ちなみに、10頭の「所属」の内訳は南関東8頭、北海道2頭。

そして南関東8頭の中には、「大井」所属馬が1頭もいません。

右回りの大井。
左回りの川崎・船橋・浦和。

 

経験の浅い2歳馬によるレースですから、そんな各レース場の「回り」もこの大井所属馬不在の結果に影響しているのかもしれません。

 

 

【ポイント2】配当妙味も地方所属馬が連れてくる!

【ポイント1】で全日本2歳優駿は地方所属馬の好走が多いレースとお伝えしました。さらに注目したいのは、配当妙味も、この地方所属馬が連れてきていることが
多い点です。

 

実際に、近10年の当レースで好走した地方所属馬の人気順は下記のとおり。

12年2着 ジェネラルグラント 7番人気
13年1着 ハッピースプリント 1番人気
13年3着 サーモピレー    8番人気
15年3着 アンサンブルライフ 5番人気
16年3着 ローズジュレップ  3番人気
17年3着 ハセノパイロ    6番人気
19年1着 ヴァケーション   5番人気
19年3着 ティーズダンク   9番人気
20年1着 アランバローズ   2番人気
20年2着 ランリョウオー   6番人気

 

このように、けっこう人気が「薄め」の馬が多いのです。まさに妙味たっぷりの地方所属馬、の趣。当レースはG1ですから、普段はJRAの馬券しか買わない中央のファンも多数馬券で参加します。

 

そんなファンの多くはJRAの馬を中心に馬券を組み立てますので、地方所属馬はどうしても票が集まりません。人気が薄めになります。

 

全日本2歳優駿は、そんな「妙味の出た地方所属馬」が絶好の狙い目となるレースなのです。

 

【ポイント3】内枠不利

近10年の当レースの「枠別」成績を診てください。

1・2枠 複勝率15% 2.1.0.17
3・4枠 複勝率26% 1.3.5.25
5・6枠 複勝率26% 4.4.2.29
7・8枠 複勝率20% 3.2.3.32

 

このように、内枠の成績があまり良くありません。

 

フルゲート、しかもとんでもなく急角度の川崎のコーナーをハイスピードで駆け抜けるG1レースですから内枠からスタートして内々でモマレながら走ることじたいが
厳しいのかもしれません。

 

とにかく、ここまでハッキリとした傾向が現れていますので当傾向は一応の留意が必要と診ています。

 

 

【ポイント4】今年の出走予定メンバーとレースの展望

それでは、今年の出走メンバーとレースの展望をお伝えしましょう。

出走予定メンバーは次のとおり。

JRA  アイスジャイアント 牡 JBC2歳優駿 1着
JRA  カイカノキセキ   牝 福島2歳S 5着
JRA  セキフウ      牡 兵庫ジュニアGP 1着
JRA  コンパスチョン   牡 兵庫ジュニアGP 2着
JRA  ドライスタウト   牡 オギサリス賞 1着
——————————————
北海道 シルトプレ     牡 鎌倉記念 1着
北海道 ナッジ       牡 JBC2歳優駿 2着
北海道 モリデンブラック  牡 南部駒賞 3着
川崎  ナインバイパー   牡 川崎若駒OP 1着
浦和  ノブレスノア    牡 ハイセイコー記念 1着
浦和  ライアン      牡 平和賞 1着
大井  プライルード    牡 兵庫ジュニアGP 3着
兵庫  バウチェイサー   牡 兵庫ジュニアGP 4着
高知  マリンスカイ    牡 土佐寒蘭特別 1着

※12月8日現在
※レース名&着順は前走

 

今年のJRA勢はかなり強力に映ります。

兵庫ジュニアGPで火の出るような一騎討ちを演じたセキフウ&
コンパスチョンの1・2着コンビはなかなか強靱です。

 

しかしそれ以上にアイスジャイアント&ドライスタウトの2戦2勝コンビにはスケールを感じます。カイカノキセキは初ダートの牝馬ですが、母カイカヨソウは川崎のロジータ記念などを勝った南関東の名牝です。

 

この5頭が予定どおり出走してくれば、今年は地方勢もけっこう大変かもしれません。

地方勢の注目は、北海道のシルトプレでしょうか。初の南関東遠征となった前走の鎌倉記念で、大井ママママカロニ、浦和ノブレスノアの地元強豪コンビを一蹴。地方の2歳馬の中では間違いなく、目下のトップに立っている馬です。

その鎌倉記念で川崎コースを経験した利も大きいですし、もし当日に美味しいオッズがつくようなら大いに狙い目となります。

 

同じく北海道のナッジもワンチャンス有りそう。JBC2歳優駿では地方馬最先着の2着。今回は早くから南関東のトップジョッキー・矢野騎手を手配しています。ただ、この馬は今回が初めての長距離輸送。当日の気配は要チェックです。

 

南関東の王様・小久保厩舎からの刺客・ノプレスノアはおそらく今回も先手必勝、逃げて完全燃焼を目指すのみ。他馬の仕掛け次第では残り目もありそうですが、枠があまりに外すぎるとどうでしょうか。

近10年で6頭の「逃げた馬」が馬券に絡んでいるレースですので、一応のマークが
必要とはなりそうです。大井のプライルード、兵庫のバウチェイサーは兵庫ジュニアGPの3・4着馬。

 

ただし前述のセキフウ&コンパスチョンには大きく離されての3・4着でした。逆転となるとどうでしょうか。

 

このように、JRA勢、地方勢ともに今年はかなりの好メンバーが揃った全日本2歳優駿。

12月15日(水)のレース当日をどうぞお楽しみに!